複製環境でアプリを運用していると、競合文書が発生することがあります。同じ文書を別々のレプリカで編集してから複製が走ると、Domino はどちらの変更を正とするか判断できず、片方の結果を “競合文書” として扱います。
今回は複製と競合文書の関係についてまとめます。
複製競合の発生
複製競合は次のようなケースで発生します。
- サーバで文書を更新
- ローカルでも同じ文書を更新
- その後双方のレプリカ間で複製が実行される
この時 Notes/Domino は、どちらの更新を ”親文書” とするか判定し、もう一方の更新を ”競合文書” として保存します。結果として、1 つの文書に対して、複数のバージョンが存在することになります。
このような現象はサーバ/ローカル間だけでなく、サーバ間の複製でも発生します。
競合文書の状態
通常の競合文書と複製競合はどちらも同じ ”競合文書” で、内部的に次のような状態・関係になっています。
競合文書には3つの特殊フィールドが追加されています。
| フィールド名 | 説明 |
| $REF | 元の文書(親文書)のユニバーサル ID。 |
| $Conflict | フィールドが存在することで競合文書であること表す。 値としては文字列で Null。 |
| $ConflictItems | 競合したフィールドを記録。 |
$ConflictItems は公式ヘルプには項目単独で解説がありませんが、競合したフィールド名を内部的に保持するフィールドとして実際に存在します(仕様として公開されない内部アイテムのひとつです)。
競合文書とビュー
ディスカッションテンプレートなど一般的な Notes アプリの場合、競合文書が発生すると次のように、インデントされ特別な表示となります(開くと通常通りのフォームで文書が確認できます)。
このような表示を行うビューのプロパティでは「返答文書を階層表示する」がチェックされています。これは $REF フィールドが存在することからわかる通り、返答文書の機能を利用しているからです。
競合文書の発生はアプリ開発者にとって、招かざる客といえます。競合文書の発生を監視できるビューがあると便利です。次のような選択式のビューを作成すると競合文書だけを表示するビューを作成できます。
|
SELECT @IsAvailable($Conflict)
|
@IsAvailable は引数のフィールドが存在するかを判定します。フィールド名には引用符が付かない点に注意が必要です。
なお、このビューではプロパティの「返答文書を階層表示する」のチェックを必ず外してください。選択式に合致する文書に親文書が含まれないことから、何も表示されなくなります。
競合の解消方法
上記の通り Notes は競合を表示する機能はあるだけで、競合を解消する作業はユーザの手で行う必要があります。その操作の流れは次の通りです。
- 親文書と競合文書を確認し、競合内容を調べる($ConflictItems でフィールドを特定)
- 競合文書から親文書に反映すべき内容があれば、コピー&ペースト反映する
- 競合文書を削除する
競合文書側を残したい場合、競合文書をいったん編集し、保存すると親文書になります。その後、元の親文書を削除する対応が可能です。この操作でもともと親文書にぶら下がっていた子文書は、新しい親文書の下に付け替えられます。
ただ、この方法では新しい親文書のユニバーサル ID が変わりますので、元の親文書に対する文書リンクは機能しなくなるので、注意が必要です。
また、親文書の付け替えにより、子文書の $REF フィールドが更新されます。 これに伴い、子文書が未読になる点にも注意が必要です。
このような背景から競合文書側を残す運用は現実的ではないと思います。









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